泥の河の作品情報・感想・評価・動画配信

悔しい。切ない。
小学生にこんなにも厭世観を与える、不幸を甘受させる戦争が憎い。

3人の子供が漸く煌めく刹那を過ごしても、子供の手に負えない世界の闇が立ちはだかる。

川。
階級を分断したり、心理…

小栗康平の第一回監督作品で全編モノクロによる哀切極まりない映像美で綴られる戦後の子供たちの屈折した詩情を豊かに描いた名編。大阪のドブ川に面して浮かぶ小舟のシュールな造形が素晴らしく、アジア映画ならで…

名作です。原作は宮本輝の太宰治賞受賞作品。
時は昭和31年、「もう戦後ではない」と言われた時代。川べりの食堂の子 小学2年の信雄がある日 出会ったボロ舟に住む同い年の喜一。のぶちゃん、きっちゃんと呼…

戦争が終わって死の恐怖から解放されても、変わらず生きる苦しみにもがき続ける人々がいた時代。
全キャスト素晴らしいが父親役の田村高廣が印象的。
「生きとってもやっぱりスカみたいにしか生きられへんのかな…

子供なのに大人の様に考えなければ生活を送れない子供、ただただ純粋な子供の心を持ち続けて欲しいと願った子供は、大人の社会を知り傷つく、自分はいつどうやって大人になったのだろう？子供から大人への境界線は…

大人の事情によって子供たちの価値観、育ち方は異なってくる。

そうなったとき、お互いに歩み寄れる部分も歩み寄れない部分もあって、そのせめぎ合いは大人だけではなく、むしろその差に自覚的でない子供には敏…