【生命のバーゲンセール】
芝山努監督の映画ドラえもんシリーズ18作目
〈あらすじ〉
牧場を持っていると友人たちに嘘をついてしまったのび太。彼のために、やむなくドラえもんは牧場の設置可能な小惑星を用意する。そして彼らは、道具を使って自分たちの玩具に命を吹き込み、開拓を始め、「ねじ巻き都市」を作り上げる。しかし、その世界で事件が起きてしまう…。
〈所感〉
子供の頃、本作を寝る前に100回はビデオで見させられたため、必然的に人生で一番観た映画はコレということになるだろう。しかし、数多いドラえもんシリーズで何故これだったんだろうか?未だ謎である。そんな私にとって子守唄のように思い出深い本作をクリスマスに鑑賞したら、なんとなく童心に帰れて楽しめた。この後アレが起こるんだよなぁと予想しながら見ていたら、未来予知のようにその通りの出来事が起きて、やはり三つ子の魂百までである。それにしても子供向けアニメにもかかわらず、『ミュウツーの逆襲』のように生命のコピーを題材にしており、カジュアルな見た目に反して結構倫理的にヤバいことをしてる感があって、子供の頃も同じことを考えていたように思う。特に敵である熊虎鬼五郎が沢山増えて、それぞれ自律的に行動するようになるシーンはトラウマレベルで恐怖だったのを覚えている。コピーなのにホクロの善人のように個体差があるのも不気味。それでもやはり、我らが科学の神ドラえもんが不思議なポッケで大抵のことは解決してくれる。だが、本作では禁じ手であろう神様的なものが存在する。今見ると、科学の神VS自然の神、宇宙規模でそういった対置が見られる壮大なスペクタクル映画であるようにも見えなくもない。それにしても大山ドラは最高すぎる。