「葉隠」を読み”サムライ・スピリット”を継承する殺し屋ゴースト・ドッグの物語。マフィアに追われ、愛鳩を殺され、マフィアに属する主人の体面を保ちながらマフィアを掃討し、主人に討たれるまで。真面目なようにもふざけているようにも見えるヘンテコな映画。全然殺し屋っぽく見えない主人公なのだけれど、あまりに簡単にやっつけられてしまうマフィアの愚鈍さがなぜか可笑しい。無常観や死生観が美学的でどこか北野映画と似ている感じもする。ジャームッシュの日本酒味が色濃く、芥川作品もただのアイテムとしてでなくちゃんと読んでいるようなのが嬉しいところ。ジャームッシュ作品にしては些か物足りない気もする。