【右往左往】
😙ひたすらジャン=ピエール・レオ演じるダメダメで滑稽なアントワーヌくんを愛でる映画。
軍隊に入隊するも素行が悪く続かず、パリの町に戻るがかつての恋人とのいざこざや就職できないてんやわんやなアントワーヌくんの魂の遍歴をコメディ・タッチで描き出したトリュフォーの十八番でもある恋愛映画。
随所に挟まれたトリュフォー監督らしい小洒落た映像テクニックがお見事。👠
🇫🇷フランス映画らしく不条理且つファンタジックな物語話法がユニークで、主人公があっち行ったりこっち行ったりドタバタ右往左往しているのを観てるだけでもアハハと笑って楽しめる。
自分は嫌われている!と勝手に妄想している靴屋のエピソードは爆笑モノ。🤣
恋するマダム(デルフィーヌ・セイリグ)の存在感も実に味わいがあり「良い奴なのか悪い奴なのか分からない」素っ頓狂な人間達が練りなす群像劇といった趣き。ウディ・アレン作品にも近いテイストがある。
🍷それにしても所謂、フランス人的な飄々とした気質がここまで滲み出た映画も珍しい。『大人は判ってくれない』を超えるコメディの傑作だと思う。個人的には。
ジョルジュ・ドルリューによる茶目っ気あるスコアも大変楽しく、如何にもヌーヴェルヴァーグらしい至福の一編である。ムッシュー。💋