ねーね

THX-1138のねーねのレビュー・感想・評価

THX-1138(1971年製作の映画)
3.0
かのジョージ・ルーカス監督の衝撃デビュー作。
初っ端からエンドクレジット上下逆に流しちゃうよ~斬新だろ~な感じが、尖った若者っぽくてすごくほほえましい。

舞台は25世紀。精神安定剤を与えられながら、コンピュータに管理されて生きる人間たち。
主人公のTHX-1138は、ある日薬の服用を怠って、同室の女性LUH-3417と愛をはぐくみ、禁忌であるセックスに及んでしまう。
管理者たちに逮捕されるTHXだったが、彼らは脱走を試みて…

正直、話はめちゃくちゃつまらない。
設定も展開も最初よくわからないし、最後まで盛り上がりはあまりない。
スター・ウォーズみたいに最初にあらすじ説明してくれ。
けど、ディストピアSFとしては70年代と思えない壮大な画作りや世界観に引き込まれるものがあり、これを礎にスター・ウォーズが生まれたのかと思うと感慨深い。
もともとは彼が卒業制作で構想した作品の焼き増しらしい。
それに惚れこんだコッポラが彼の才能を見込んで映画化を手助けしたとか。

死体のフリしてたら耳をホッチキスでパチンされて、痛くて逃げ出すシーンが可愛くて好き。
最後のカーチェイスシーンは、SWシリーズのスピーダーに通ずるものがあるし、何よりもラストの美しい真っ赤な夕日はまさにタトゥイーンのルークを彷彿とさせる。
それだけでちょっと目頭が熱くなってしまった。

豆知識だけど、Duft Punkの「Get Lucky」のシングルジャケットは、このラストの夕日にインスパイアされたデザインらしい。
言われてみれば確かにそのまんまだ。
ねーね

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