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ウディ・アレンのバナナのtakのレビュー・感想・評価

ウディ・アレンのバナナ(1971年製作の映画)
3.6
僕が初めてウディ・アレン映画を観たのは中学生の時分で、地上波で放送された「スリーパー」(1973)だった。ドタバタのギャグだけでなく、際どい性的なネタもあったから、今思うとよく親は黙認してくれたよな😓。初期コメディ路線の本作「ウディ・アレンのバナナ」は今回が初鑑賞。いやー楽しませてもらいました。

新製品のテスト係をやっている主人公。活動家の女性と付き合うようになったが、「物足りない」と捨てられてしまう。傷心の彼は、一緒に現地の記事を書こうと約束していた政情不安な軍事政権国家を訪れる。ところが反政府勢力に捕らえられ、いつしか共に行動する羽目に。そしてグループのリーダーになっていく。…という長いものに巻かれっぱなしの男の物語。

4コママンガみたいな小ネタのギャグが次々と繰り出されてくるのだが、後の作風と比べると話術で笑わせる場面は少ない。映像できちんとオチを示してくれるのが面白いのだ。ハープ奏者の場面は思わず吹き出した。あんなとこから出てくるなんて🤣。

ヘビの毒は口で吸い出さないといけない!と指導される場面。みんなが「口で吸う!」と唱和するけど、これってスネークマンショー(若い世代はわからないよね💧)の「急いで口で吸え!」の元ネタ?と勝手に想像した。そして女性がヘビに噛まれた!と走ってきたら、男が彼女に群がるのに大笑い。

エロ本を買おうとしてるのに、視線が向けられると違う態度をとる様子にケラケラ笑ってしまった。この場面の仕草を見ると、笑いのルーツはチャップリンだなーと改めて思う。警官がこっちを向くとそ知らぬ振りをするチャップリンみたいな。冒頭の身体が鍛えられるオフィスデスクは、まさに「モダンタイムス」の自動給食機を思わせるし。

革命という政権のとっかえひっかえを皮肉っていると同時に、それを他人事として茶化すばかりのマスコミをもあざ笑う。そういえば「スリーパー」も未来社会の革命に巻き込まれる話だな。70年代前半のバカやってる時代のアレン作品、あと何本か未鑑賞あるから挑んでみたい。
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