1944年、日本による統治が終わる間近の台湾南部の村の物語。
ワン・トン監督が台湾の庶民の歴史を描いた『台湾三部作』の1作目。英語字幕にて。
畑にいる案山子/かかしがこの村の状況を語り始めるというユニークな導入。
(原題の『稻草人(かかし)』はここから)
RichMan(兄)とBigMouth(弟)という愛称の農業を営む兄弟が主人公。
常に不満をぶちまけてる兄。嫁さんと子作りしすぎな弟。この二人のキャラが最高です。
一家は、愛称とは真逆の(笑;)貧困生活。
村で一番の美女だったリリーは、結婚してすぐ戦地に向った夫が米兵に殺されてから狂ってしまい、赤いウェディングドレスをボロボロになっても着続け、いつも踊ったりしている。
日本人の指導の元、現地の主婦たちに防空/防火訓練をさせ「アメリカ軍は脅威だ!あいつらのナニはこんなにデカい!」とガラス瓶を見せ、思わずウケる主婦たち。
日本人教師は、子供たちに「日本人の名をつけろ」「米軍の攻撃時の爆弾の破片などを集めろ」そうすれば褒美がもらえるぞ。などと指導する。
ある日、米軍の攻撃を受け、畑に不発弾が落ちる。
恐る恐る爆弾に近付く兄弟。爆弾に石を投げたりしても大丈夫そう。
これを日本政府に渡せば、すごい褒美がもらえるはずと、当地の日本人士官(このおっちゃんもいい味)と兄弟は、爆弾を台車に乗せて暑い陽射しの中、上官の地へ向かうが・・・
タブーとされていたという日本統治時代を描いた作品。
コメディテイストながら、当時の日本人が台湾人をどのように統治していたのかを知る貴重な作品でした。
エンディングは子供たちによる♪「夕焼け小焼け」
作中も日本語が何度も出てきます。
金馬奨: 最優秀監督/脚本賞ほか
ボゴタ国際映画祭(コロンビア):最優秀脚本/編集賞