めしいらず

血の祝祭日のめしいらずのレビュー・感想・評価

血の祝祭日(1963年製作の映画)
3.4
これも子供の頃に読んだホラー映画紹介本で見つけた映画で、朱色味を帯びねっとりした血糊が毒々しい画像の強烈な印象を記憶している。スプラッタ映画の元祖ハーシェル・ゴードン・ルイスによる世界最初のスプラッタ映画を初鑑賞。これは拾い物だった。若い美女を殺害し死体の一部を切り取って持ち帰り、エジプトの女神イシュタルへの供物として、また自身のケータリング料理の素材として客にも振る舞っている狂信者の連続殺人劇。正直お話自体はどうと言うこともない。警察のあまりの無能っぷりが凄まじい。そんなことよりも、血糊の赤、空の青、壁の白、闇の黒、植物の緑、カラフルな洋服など、原色同士のコントラストが強烈な画の凶々しい色彩設計の美しさに見惚れてしまう。そして売り物のスプラッタ描写はその残虐さとは不釣り合いにどこか高貴な風情(殺人行為そのものが直接は描写されないからかも…)さえある。また打楽器と管楽器のシンプルなBGMも印象的。安っぽい演技にも不思議と味わいがある。
めしいらず

めしいらず