題名から飛行機事故の話かと思ったら、焦点はそこではなく、エリート人生を踏み外した男の話だった…..。
強くて正義のイメージが強いデンゼル・ワシントンが「保身の為、弱くて嘘を重ねる」パイロット役ウィップ。
ウィップはパイロットとしての飛行の腕は超一流だが、アルコール依存症でコカイン中毒。機体トラブルで大惨事になる処をその技術と判断で乱気流を乗り切り、背面飛行を行い、少ない死者と怪我人で無事着陸、英雄となる。が、フライト前と飛行中のアルコール摂取を公聴会で問われ、認めれば犯罪者となる。実際の事故原因は機体トラブルのはずなんだけど、責任を何処に持っていくかで、火種が飛んだ感じ?勿論、飲酒で睡眠不足での飛行は論外だが、飛行前にチェックするシステムなかったのかなぁー?
後半はアルコール依存の怖さも見せてくれる。本人の意思ではコントロール不能で、水の様に飲み、飲みたくて自制が効かない様子は家族や友人、助けようとする人々にとって「信頼を裏切られた哀しさ、情けなさ」が伝わってくる。公聴会前に嘘の根回しをして周るウィップは自分の保身しか考えていないクズな奴。
ラストの「自由になった」彼は、自分に正直になった故だ。自分を誤魔化した事は自分が一番わかってる。
蛇足:「タイムリミット」のデンゼル・ワシントンもそこそこクズ役だったけど、こっちはシリアスなやつだった…….
No.1402