アニメーションの原画を担当している母(手塚理美)、元有名漫画家の祖父(我修院達也)、謎の催眠療法士の父(三浦友和)、巨大な自分が見える幸子(坂野真弥)、片思い中の春野一(佐藤貴広)。新学期が始まる中、何をしているかわからない叔父(浅野忠信)が急にやってきた。
家族それぞれのモヤモヤを晴らしていく。
田舎の自然豊かな景色の中、異質なCGや小物が紛れ込んでくるヒューマンドラマ。CGと実写の融合が随所にみられて面白い。
開幕から面食らう、額から飛び出す銀河鉄道みたいな列車、庭から生えるデカイ顔、そして悠々しい桜のタイトルバック。
モノローグで語る場面が開幕だけ少しあるため、その形式で進んでいくと思いきや、別にそんなこともなく。
今作は親族7人に加え、その周辺人物たちのコントも含まれるため、ロケーションも多数用意されていて、「PARTY7」のような閉塞感はない。
また豪華な俳優陣も見所で、シチュエーションによって囲碁部の部長が若かりし高橋一生だったり、急に家で寿司を食べてる人が庵野秀明だったりする。
その他にもダンサーの森山開次等、映画を観終わった後、役者陣を見渡すことも面白い部分。
好きなシーン。
"山よ"と三角定規がちょっと重なっているのがツボで笑ってしまった。曲と映像もシュールすぎる笑
途中出てくるアニメ「スーパーBIG」は丸山正雄率いるマッドハウス。当然かなりイケてる。
円盤特典では3分間の完全版が収録されているようで、いつか拝見したいところ。
そして最後は春野一の物語と幸子の漫画で締めて、後味めちゃくちゃGOOD!
余談:
どうやら石井監督は催眠療法が好きなようだ。
「鮫肌男と桃尻女」でも少し触れられていたように、この作品でも父親が催眠療法をしている様子が垣間見える。
2019年の小説、大嶋信頼著「催眠ガール」の帯も書いているようで、監督の催眠に関するルーツが知りたいところ。