リブート版『スター・トレック』2作目
2259年の地球。人々の平和な日常がある日、突然崩される。スターフリートの隊員であるカーンがたった1人で戦争を仕掛け、地球は存亡の危機に陥る。エンタープライズ号の若きキャプテン・カークは仲間たちと共に、敵が潜む宇宙の戦闘地帯へと船を向かわせる。果たしてカーク達はカーンを倒すことができるのかという物語。
冒頭からオレンジ色のカラフルな原住民たちとの追いかけっこや、火山の噴火を止める任務のために火山口にスポックが取り残されてしまうという、手に汗を握るハラハラドキドキする展開で緊張感が凄い。
そこから、ロンドンの爆発テロ事件、船長・副船長が参加する会議の襲撃、謎の魚雷etc.....
と息をつく暇もなく畳み掛けるような出来事が起こり画面に釘付けになる。
大量の放射線を浴びながらガラス越しにスポックと手を合わせるカーク船長との友情のシーンが最大の見せ場であり感動的なシーンで素敵だった。規則を破っても友を救いたかったカークと、冷静沈着で感情を表に出さないスポックが珍しくも泣き叫ぶ2人の友情が素晴らしかった。間違いなくこのシリーズで1番の名シーンだと思う。
本作の敵として登場するのが、遺伝子操作によって作られた圧倒的な戦闘力を持ち、何十手先をも見通す先見の明を持つ最強の敵・カーン。冷静沈着で何を考えているか分からない不気味さと、冷酷な渋い表情をする圧倒的な悪役としての存在感が悪役ながら半端なく格好良い。
カーン役のベネディクト・カンバーバッチの悪役っぷりは惹き付けられる程凄く、彼に似合っている。彼の睨みつけるような目つきだけで悪そうな雰囲気が伝わってくる。強くて賢い悪役は最高にストーリーを盛り上げてくれるから好き。
女遊びの激しいカーク船長と、1人の女性を大切にするスポック副船長。型破りで自己犠牲を厭わない男と冷静沈着で知的な男の対象的な2人の性格や熱い友情が好き。理性のあるスポックがカークの為に取り乱し感情的になっている所がたまらん。前作以上に2人の友情が感じられて良かった。
全編を通して「自己犠牲」というテーマが丁寧に描かれ一貫していた点が良かった。
SF映画はあまり得意ではないが本作は結構好きだった。オリジナルの『スタートレック2/カーンの逆襲』のオマージュがあるみたいだから、オリジナルのシリーズも観てみたいと思う。