この作品を最初に観たのは原作を先に読んでいたため遅かったです。自分が大学生の頃に氷室冴子さんの小説を読んで共感しずっと大事にしてきた作品でした。
小説を先に読むと、どうしても自分の脳内で出来上がったイメージが影響してしまい、アニメが楽しめないことも多いけど、今作はそこまで影響なく楽しめました。ただ僕としては映画の続きである東京での拓と里伽子の恋愛のくだりも好きなので、この映画が好きで原作未読の方は是非読んで欲しいです。
高知を舞台にしたことが成功してますよね。土佐弁や海、街並みの描写の再現度が高く素晴らしいし、作品の良い個性となっていると思う。この辺りは原作者の氷室冴子さんもしかり望月監督の尽力のよるものだと思います。ちなみに里伽子が転校先に馴染めなかったのは、関東近郊の都市ではなく高知だったからこそだとも思います。
この作品がこれだけ多くの人に刺さるのは学校生活や思春期の本当に細かな心の機微や思いの表現が成功しているから。男友達、特に親友の松野に対して拓が気を使ってしまったり、本音を言い合ったりみたいのはめちゃリアルでエモいし、そんな事はとうの昔に過ぎ去ってしまった!という時の流れの速さを感じてセンチメンタルな気持ちにさせられます(^_^;)
また、里伽子に対して意外と印象が悪い人が多くて驚きました。
ワガママで自己主張が強くて意地っ張りな所が鼻につくのでしょう。分かる分かる!でも僕はそんな里伽子が凄く好きでした。こればっかりは好みの問題なのでしょうけど。里伽子に似た性格の女の子とお付き合いしていた経験があり、ほっとけない感じになってしまったのが正直な所なのですが😅
彼女はあまのじゃくな行動をとるけど、実は見た目以上に、人の気持ちを理解してるし、思っている以上に我慢したり傷ついているのだと思う。拓はそれをちゃんとそれを見抜き理解し、悪態をついたり喧嘩をしたりもするけど、最終的にはしっかり彼女を支えてあげるのが良いです😊
ジブリ作品なのに知名度の低い本作品。見ないでおくのは余りにも勿体ない!まだ未視聴の方がいらしたら是非おすすめなので見て欲しいです!(原作もね)