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マリリン・モンロー 瞳の中の秘密のAntaressのレビュー・感想・評価

3.0
女優たちにマリリンを【演じさせ】るのややこしいし何かの意味があるとは思えない。有名人にやらせるとしても普通のナレーションだけで良いのに。

自分は特にモンローファンでは無い。むしろ「何故美人でもない太ったこの人が人気なんだろう?」と子どもの頃から思っていた。

私より少し上の世代の作家群ようこも「何故この太ったおばさんがこんなに人気があるのか?」と疑問に思っていたそうだ。

今改めて見るとモンローはむっちりしているけど太ってはいないんだよね。私が子どもの頃はツイッギーのせいで【ガリガリ=美しい】神話が始まった頃だったからなのだ。だから鶏ガラみたいなツイッギーに比べるとマリリンは太って見えた。
マリリンの体型が今も女性の理想なら摂食障害に悩まされる女性は少なかった筈だ。

ムッチムチな甘ったるい男の為のオモチャの様なマリリン。それに相反するのが男の好みに合わせないツイッギーだった。ショートカットに小枝のごとく細い肢体。ウーマンリヴのアイコンだとも言える。

モンローの出現がフェミニズムの始まりだとのことだが未だ彼女が誰もが知るセックス・シンボルであることを思うと皮肉な話である。

私がだいぶオバハンになってからだが初めてモンローのオフショットに近い写真を見た時は普通に可愛いと感じた。
私はモンローを演じている彼女は嫌いだが素のノーマ・ジーンは好きなのだ。

彼女はスイッチを切り替えて普段の自分からM Mになることが出来たとか。【モンローになった】途端周囲の人達に気付かれ慌ててタクシーに乗ったそうな。

デヴィッド・ボウイも同じことが出来たと聞いた事がある。オーラのオン&オフが出来るってよっぽどの人物だよね。

「賢い女は男が嫌う」
うちの昭和一桁生まれの母も同じこと言ってたな。

男に媚びる軽い女のイメージのモンローだけど、それは彼女がセルフプロデュースで作り上げたもの。
彼女自身が作り上げたマリリン像に囚われ利用され亡くなって行ったのが悲しい。

ケネディについて全く触れられていないのが何か怖い…
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