私の実家では、正月2日は家族で映画を観に行くのが年中行事になっていた。この映画もその時に観たのだと思う。だいたい12歳頃なので、中国史も何もわからない状態だったけど(今だって似たようなもんだけど)、たぶん面白かったんだと思う。そのあとテレビで放映されるたびに何度も観ていたし、坂本龍一の音楽にも魅了されて、サントラもよく聴いていた。
今回、だいぶ久しぶりに観ると、まず違和感を感じたのが全部英語ってところ。昔は何も感じなかったのにね。あと、本当に聞きかじりだけれども、「オリエンタリズム」という概念があることを最近知ったので、そういう感じはやっぱりあるなと思った。
でも、とてもスムーズな上にテンポが良いストーリーテリングと、豊かで煌びやかで退廃的な美しさに満ちた宮廷と無機質で寒々しい収容所の映像の緩急にすぐに夢中になった。全てのシーンを覚えていたのに、あらためてその撮り方がバチバチにキマっていることに感嘆した。
史実とは違うところも多々あるのだろうけど、とても面白い一代記であるし、素晴らしい芸術作品だと思う。