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グランド・ブダペスト・ホテルのmorioのレビュー・感想・評価

3.7
ここ最近は、ヒリヒリするような現実的な作品や
精神的にずしんとくる重い作品が続いたので、少し
コミカルな作品が観たくて、この作品をチョイス
しました。

ちなみにウェス・アンダーソン監督の作品はオシャレ
です😘彼の感性から配置される色彩アート・ファッ
ション・シンメトリーの構図はとてもハイセンス!👗👠
どこをとっても画になる!広告になる!(職業柄つい
考えてしまう)また、シュールでナンセンスなストー
リーも魅力の一つと言えます😊


(※以下、ネタバレあり)


本作、コミカル表現の裏に「失われゆく文化への郷愁」
という深いテーマが隠されているそうです
(※初見では良く分からなかった!)

好きなシーンがあって、作家とホテルオーナーの老紳士
が大広間やお風呂に入りながら昔の思い出話を語らう場面。
すごくいいなあと思いました🛁

宿泊客はまばら、広いホテルに二人きり。客が途絶え
たホテルには手入れは行き届かない。古びた感が否め
ない。でも、昔の栄光を人生を一緒に駆け抜けた、
伝説のコンシェルジュ、グスタヴとの思い出を語る
老紳士の周りには、かつての喧噪や栄華が見えるような
気がしました👀✨


またそのシーンは日本の「侘び」の趣に通じるものを
感じました。それは目の前に何も無いからこそ
有るはずのものがより鮮明に想像され、内なる世界で、
より大きな感動を産むのだと🪐

主人公のグスタヴは、洗練された教養の深いコンシェル
ジュとして「古き良き時代」を体現し、孤軍奮闘それを
守ってきた。でも、彼の価値観は時代の変遷により脅か
されていき、ホテルの衰退とともに彼も命を落とす運命を
辿るのです。


グスタヴとゼロ、その恋人のアガサとの友情と愛が
じんわりと温かいんです🌞🌞🌞

身分や年齢、性別の違いを超えた彼らの絆は、人間の
温かさや信頼の大切さを表現しているし厳しい時代を
生き抜くための強いパワーであり続けたんだなぁと
誰もいなくなったホテルのロビーで語らう二人をみて
しみじみと優しい想いを感じました。

結論:
所詮オシャレ映画🎬でしょ!では勿体ない。
時代を生きた彼らの想いを感じよう😘
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