オノタカノフ

イコライザーのオノタカノフのレビュー・感想・評価

イコライザー(2014年製作の映画)
4.0
午後ローにて。初見。

デンゼル・ワシントンの魅力が堪能できる映画。正直なところストーリーは二の次で、デンゼル演じるマッコールの、悪人を機械のような正確さと冷酷さで一人また一人と成敗するクールさと、クロエ・グレース・モレッツ演ずる売春婦や警備員志望の太っちょのお兄さんや悪徳警官に生き血を吸われる店主ら、真面目に生きようとする平凡な人々に向ける優しい眼差しとの対比がたまらない。

仕置きのシーンの描き方の緩急の付け方も良くて、ロシアマフィアの売春の元締めと、マートン・ソーカス演じる中ボスを仕留めるシーンは、それぞれ時間をとってじっくり描くが、レジ強盗の場合は殺害の場面は描かずただデンゼルがハンマーの汚れを拭き取るところを見せるだけで、誰がどうやったのかを観客にわからせる。大ボスの場面も、何故かいきなり大ボスのシャワールームにデンゼルが板付きで登場するが、大ボスをあっさり感電死させて屋敷内を帰る道すがらに頓死した子分たちの死骸を配置することで、デンゼルがどうやって忍び込んだかが想像できる。

クロエ演ずる売春婦がマッコールの声を「穏やかな声」と評するが、それはもちろんデンゼルの声について言われたものだが、吹き替えで聞いていると、大塚明夫さんの声が、男らしくかっこよくて、しかも「穏やかな声」なので、実にぴったり。

ああ、それと、「ロバート」とその愛称「ボブ」の印象の違いがわかりやすかった。
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