【マッドマックス祭り④/WE ARE NOT THINGS】
想像をはるかに超えた”良い意味”のイカれた世界観を提示している。
一応、「サンダードーム」も前日譚のようにしているけれども、明らかに「マッドマックス2」から続く世界だ。
ディストピアというか荒廃した絶望的、無秩序、無法な世界観は「マッドマックス2」にインスパイアされた「北斗の拳」の方が上回った感があったけれども、この「怒りのデスロード」で一気に復権、軽く上回った感じもする。
とにかく、序盤から狂っているとしか思えない展開だが、異形の車両も、火を吹くギターも、砂漠のカーチェイスも、死を何とも思わないウォーボーイのニュークスも、「一旦死んで蘇ってやる」って発言も、想像を絶するフリ切った感じで、もうずっと目が離せなくなる。
また、大きな展開としては、核戦争後の環境破壊が極致まで進んだ世界で、男たちがジョーの所有物に甘んじることを良しとするのに対し、シャーリーズ・セロン演じるフュリオサをリーダーに女性が立ち上がるのは現代社会に対する最大の皮肉を込めたストーリーでもある。
この「怒りのデスロード」公開の翌年に行われた大統領選挙で奇しくもトランプが当選してしまうが、大統領選挙を控える今年2024年、「フュリオサ」がアニャ・テーラージョイ主演で公開されるのにはなんか因縁めいたものも感じる。
また、嵐の場面などはCG合成だが、カーチェイスが実写というところも驚愕だ。
血液袋ってのは漫画「彼岸島」からのアイデアじゃないの?とか、母乳女もどーよみたいな突っ込みたくなるところはあるけれども、人をモノとしか見てないような社会に不満や怒りをぶつけるような強烈アクション・ド派手ムービーだ。
作品賞や監督賞は逃したけれども、アカデミー賞では最多受賞。
豪米合作で、前作が失敗だったハリウッドも面目躍如のちょー怪作だと思う。
タランティーノの2015年の最もお勧め作品だし、久々に観てもまた目を見張った。
アニャ好きの僕としては「フュリオサ」に期待大だ😁
皆殺しだ!