【死を考える②】
※ヨルゴス・ランティモス特集②
ヨルゴス・ランティモス制作・出演作品
ベルリン国際映画祭作品賞にノミネートされ、女優賞でマリーナ役のラベドが最優秀賞を獲得した作品だ。
ヨルゴス・ランティモスはエンジニア役😁
今回、ヨルゴス・ランティモス特集で上映された作品の中では、筋立ても分かりやすく、マリーナと友人のコミカルな場面やギリシャの近代の歴史に対する負い目のような示唆もあってとても興味深い作品だった。
マリーナのヴァージン喪失と父の死は対比だ。
ヴァージン喪失も死も一度きり。
死も受け入れ難いが、マリーナにとってのヴァージン喪失も同様だ。
だが、死を静かに受け入れようとする父。
マリーナにもエンジニアとの出会いによって心境に変化が現れる。
途中、父親がギリシャについて、羊飼いがブルドーザーになったようなものと形容するが、他の国が経験したような手順を踏まず近代化してしまったことによる国家のシステムの歪みなどを示唆したものだろう。
しかし、これも受け入れることが必要なのではないか。
なぜ、マリーナは友人に死を迎えようとする父とセックスするように頼んだのか。
死が悲しいものでないようにと願ったのだろうか。
ギリシャ神話の国の独特な死生観もあるのだろうか。
ラストの場面は、”羊飼いがブルドーザーに…”を想起させるような場面だが、他者と異なることを自ら受け入れることは必要なのだと言っているような気もした。
興味のある人は是非!