【実話に基づく傑作映画たち】
~事実は小説より奇なり
◆ベースとなった史実
〈ドラッグ売人から
ヒップ・ホップ・アイコンへ〉
~N.W.Aの結成 / 1986年
・場所: カリフォルニア州コンプトン
・人物: ドクター・ドレー、
アイス・キューブ、
イージー・E ほか
〈見処〉
①伝説的ヒップホップ・グループ、
N.W.Aの軌跡を描く音楽伝記作品
・『ストレイト・アウタ・コンプトン』は、2015年のアメリカ合衆国の映画。伝説的ヒップホップ・グループ、N.W.Aの結成か~離別~再開を描いた伝記音楽映画。タイトルは、彼らのデビューアルバムから。
・本作の舞台は1986年、全米屈指の治安の悪い地域、カリフォルニア州コンプトン。ドラッグの売人として生活するエリック/イージー・EはLA一帯でムーブメントとなりつつあったヒップホップに取り憑かれ、DJとして活躍していたドクター・ドレ(コーリー・ホーキンズ)、リリックメイカーのアイス・キューブらを加えて、ストリートラップ・グループ、N.W.Aを結成する。
・彼らのファースト・アルバム『ストレイト・アウタ・コンプトン』は累計300万枚を超える大ヒットとなり、社会現象になる一方で、その攻撃的で過激なメッセージから警察やFBIの監視対象となり、世間からの大きな非難に晒されるようになる。更に、ギャランティーの配分問題からアイス・キューブがグループを脱退、各メンバーの間にも亀裂が生じるようになる(wikipediaより抜粋)。
・本作は、N.W.Aのオリジナルメンバーであったドクター・ドレーやアイス・キューブと、イージー・Eの未亡人トミカ・ライトがプロデューサーとして参加する一方で、元メンバーのアラビアン・プリンスが全く登場していないため、公開時にはファンから物議をかもした。
②ギャングスタ・ラップ
・人種差別や社会格差を背景に1980年代後半に生まれた超攻撃的なヒップホップ「ギャングスタ・ラップ」。本作では、Ice-Tと共に代表格であったN.W.Aと警察・治安維持組織との対立について、緊張感をもって描いている。
・N.W.Aにより、ギャングスタ・ラップは完全に一つのジャンルとして確立されたが、その攻撃性ゆえに未成年保護の観点から「ペアレンタル・アドヴァイザリー」の刻印がなければ販売できなり、2000年代には衰退していく。
・しかしながら、ギャングスタラップの暴力性は、黒人による白人優位社会への抵抗と見直され、2020年に「ブラック・ライブズ・マター運動」の際に再注目を浴びた。
③結び…本作の見処は?
○: ヒップホップ版『ボヘミアン・ラプソディー』。N.W.Aを知らなくとも楽しめる作品。
○: 警察との緊張感はホント?ブラックマター運動と類似性のある社会背景、今だからこそ鑑賞すべき作品。
○: N.W.Aメンバーはそっくりのキャスティング。また、アイス・キューブを演じたオーシェア・ジャクソン・Jrは実の息子。
▲: 本作に未登場メンバーの存在が解せない。なぜ??