櫻イミト

白昼の暴行魔の櫻イミトのレビュー・感想・評価

白昼の暴行魔(1978年製作の映画)
2.5
スラッシャー映画ブーム先駆の一本とされるイタリアのB級暴行スリラー。タランティーノ監督「デス・プルーフ in グラインドハウス」(2007)の元ネタの一つ。監督は「殺しのテクニック」(1966)のフランコ・プロスペリ。出演は「マッキラー」(1972)のフロリンダ・ボルカン、「ガラスの部屋」(1969)で爆発的ブームを呼んだレイモンド・ラヴロック。

アルド(レイ・ラブロック)ら3人組の銀行強盗が逃げ込んだ海辺の別荘。そこはクリスチャン女学校の夏合宿所だった。シスター(フランコ・プロスペリ)と6人の学生たちを目の前にして男たちは欲望をむき出しにするが。。。

クリスチャンゆえ暴力での反撃をできないというのがミソ。耐えに耐えた末、数人目の犠牲者が出たところで堪忍袋の緒が切れるプロットはいかにもタランティーノ監督が好きそう。ただ、その気持ちの切り替わりの描写が弱いのと、後継パターンの映画が量産された現在となっては衝撃度はそれほど高くは感じなかった。美青年として女性から人気があったラヴロックの姿に時の流れを感じた。

英題は「The Last House on the Beach」で、ウェス・クレイヴン監督「鮮血の美学(The Last House on the Beach)」(1972)の模倣作と評価されている。ちなみに同作が1970年代末にテレビ放送された時には「白昼の暴行魔2」との邦題が付けられた。
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