愚かな人間ほど愛おしい
タイトルからは想像できないほどに終始暗く澱んだ雰囲気のある作品でした。
役者さんの名前をそのまま役名にしている方がいるのは感情を入れやすいようにとか何か理由があるんでしょうか。
通り魔事件で婚約者を亡くした男
夫と姑と平凡な暮らしをしている主婦
既婚者の友人への思いを秘めている同性愛者の弁護士
出てくる人みんなちょっとずつ内面にクセがあるというか難があるというか…それが不思議と愛おしい。それが人間らしさなんだろうなと思う。
人間は身勝手だし、裏切るし、殺しもする。
この世のあらゆる問題は大抵人間が引き起こすものだ。しかし人生が変わるようなきっかけをくれたり救ってくれるのもまた人間。
結局置かれている立場や環境は簡単には変えられないけどそれでも生きていこうという一種の諦めというか、救いはないけど希望がみえる終わり方で非常に良かったです。
片腕の同僚がとてもいい人でした。