庵野秀明はきっと子供の頃に特撮ヒーローものやロボットアニメに触れたときめきや、思春期の頃のイタさをそのまま持ち続けている人なのではないかと思う。気恥ずかしくて隠しておきたいような自己をちゃんと表現できる芸術家なのだと思う。不要なのに執拗なエロ描写が雑音だなあと感じながら、お話が子供っぽくてイタいなあと思いながら俯瞰的(失敬な!)に観ていたつもりだったのに、クライマックスではどうして今自分が泣いているのか全く理解できなくて戸惑ってしまった。ともあれメカニック類の細か過ぎる描き込みが作者の情熱を強烈に感じさせる。前作でも同様だったけれど使徒の造形美が何より素晴らしい。こんな怪獣像は見たことがない!