第二次世界大戦直後のベルリン。強制収容所から奇跡的に生還した元歌手のネリーは顔に大きな傷を負って、友人のレネの助けもあり、顔の修復手術を受けて回復する。生き別れた夫ジョニーと再会するも、彼はネリーが死んだものと思っていて、顔が似ている女性と思い込んでいた。2人の運命の行方を描いたドラマ。
戦争で引き裂かれた夫婦の悲劇と奇跡の再会からの運命。それを戦闘シーンや残酷なシーンを一切使わず、静かなトーンで表したのが本作。1時間半という短さで無駄なくキッチリ収めています。
強制収容所で顔に重傷を負い、手術を受けて以前のようには戻らなくとも何とか回復したネリー。夫のジョニーへ会いに行くも、強制収容所で死んだものと思われていて、顔を見てもネリー本人だと気付かない。しかも別人だと思っているから、遺産を手に入れるためにネリーの振りをしてほしいと本人だと知らずに頼み込む。
これどう結末を迎えるんだと思っていたら、終盤のある展開が引き金になり、ああいったラストに繋がるんだなという流れは個人的に好みでした。
ただジョニーが鈍感すぎ。いくらなんでも妻だと分からないもんなのかな?そのネリーの戦争以前の顔が一切出ないので、手術前後でどれほど違うのかは観客の想像に任せる形。そこがちょっと引っかかっていました。
派手さも無く落ち着いた作風ですが、かなり引き込まれた1時間半。エロもグロも無く、ショッキングな場面も無いので、見やすい作品かと思います。