ゾンビが蔓延した近未来の世界を舞台に、生き残った人々の壮絶な戦いを描いたオーストラリア製アクションホラー。邦題のとおり、『マッドマックス』な終末世界にゾンビ要素を足したような作品。
変な邦題なので舐めてたが、開幕から半笑いギャグタイトルには似つかわしくない真面目な香りが漂う。プロテクターに身を包み、ゾンビを撃ち殺していく複数の登場人物たち。戦いながら、彼らの身の上話がはじまるのだが、キャラクターの素性を語るパートと、VSゾンビ或いは敵対する人間同士のアクションとを並走させながら、物語を帰納法的にまとめていくシナリオの巧みさに唸る。非常に良質な語り口だ。
出てくる軍隊は、一応パンデミックの収拾を目指しているのだが、目先の市民の犠牲などはとるに足らないってな具合で、真っ当な正義の味方じゃあないのがいい独創性。
