ToSh

フェームのToShのレビュー・感想・評価

フェーム(1980年製作の映画)
4.0
FAME=「名声」を夢見る若者たちの情熱がほとばしる青春の日々

物語
NYの舞台芸術専門学校では、秋の新学期を前に十代の若者たちへのオーディションが行われていた。合格したのは、ゲイであることを隠している俳優志望のモンゴメリー(ポール・マクレーン)、内気で不器用なドリス(モーリーン・ティーフィ)、キーボード奏者志望のブルーノ(リー・キュレーリ)、ゴシップ好きのリーサ(ローラ・ディーン)、そしてスラム街育ちで野心的なコーコ(アイリーン・キャラ)たち。そして彼らは入学初日を迎える。

ダンス映画の先駆けとなった『フェーム』。
NY、マンハッタンの路上でいきなりキャストたちが踊るシーンに象徴されるように、それまでのミュージカル映画とは違う、激しいエネルギーと青春のホロ苦さが全編に漂い、観客の心をとらえる。従来のミュージカルと明らかに違うのは、出演者が「踊って歌う必然性」。舞台はNYのハイスクール・オブ・パフォーミング・アーツ(通称PA)。つまり芸術専門の学校なので、彼らが歌って踊るのは、ミュージカル的な映画のための演出ではなく、日常の延長。
このPAは実在しており、1947年に設立され、アル・パチーノやライザ・ミネリも学んだことで知られる。

1980年の作品にもかかわらず、人種やセクシュアリティへの向き合い方が、いま観ても古くささを感じさせない。時を超えてアピールするパワーが宿った作品です。


午前十時の映画祭14にて鑑賞
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