映画という箱にテキストがテキストそのものとしてこだまする、絵画たちもそれに応える。
そうしてすっかり生まれ変わった目には、自然を堪能する極上の360度・超スローパンが待っている。
ストローブ=ユイ…
ひたすら絵画の全景と断片を見せられるが、一点フレームを除外した作品は何だったんだろう。「絵画は映画、写真によって殺された」というバザンの言葉と相容れない構造。
ただ当然絵画と映画は別物なので、「見…
同監督の「セザンヌ」(1990)の続編。伝記本「セザンヌ」(1921)に収められたセザンヌ本人の芸術論を朗読し、ルーブル美術館所蔵の芸術家たちの絵画15点と彫刻1体のフィックスカットを挿入していく。…
>>続きを読む確かにセザンヌの絵画映像と、セザンヌが語ったとされる言葉は語られてはいるが、併録されている他の歴史的小編モノクロ映画とのかかわりが謎。
セザンヌ好きであれば先の部分だけでも価値はないとはいえない。…
絵を、映画を「見る」ということ、それは決して作品を物語に還元することではない。それは徹底して画布を、映画であれば画面を見るということであって、セザンヌもストローブ=ユイレもこの表層にとどまり続ける。…
>>続きを読む途中に挿入されるセーヌ川(手前に樹木が水平に並ぶため、水面はかすかに感じられる程度)の長回しは同一ポジションによる光の推移を克明に記録する。中盤以降メインで紹介されるドラクロワの描き込んだ色をどのよ…
>>続きを読む「ルネサンス前派は嫌いだ」
唐突なルネサンス前派ディスから始まる過激な美術館訪問
そして挙げ句の果てにはクールベを地下牢(地下室?)に閉じ込め続けるのなら放火してやると犯行予告をして終わるという傍…
ほとんどのショットはルーブル美術館の所蔵品をフィックスで映すだけの割に、撮影監督はレナート・ベルタとウィリアム・ルプシャンスキの共同だそうでめっちゃ豪華。カメラも被写体も全く動かなくとも映像で撮って…
>>続きを読む2回だけ差し込まれる、セーヌ川ほとりの揺れる木と山中に流れる小川の360°パン。世界を映し出した瞬間の映像が、セザンヌの絵画論とリンクする。
しかし『セザンヌ』との比較においてこの映画の意味を考え…