Toineの感想文

死の恋人ニーナのToineの感想文のレビュー・感想・評価

死の恋人ニーナ(2015年製作の映画)
3.5
【健気に尽くす子は闇を背負い込む】
ジャケット写真の逆さま血塗れ手ブラが気になって鑑賞いたしました。
冒頭からメンヘラと恋の香りが漂う男女のやりとりがとても良きです♡
イギリスの曇天も最高♡♡

愛する彼女ニーナさんを事故で失い生きる気力を失ったロブ。
そんな彼は本職から離れスーパーでアルバイトをする脳死の日々。
ニーナさんの後を追って4にたいと感じる毎日。
だがしかしそんな生きる屍のような彼の前に表れた優しい同僚のホリーさん。

最初は影のあるロブに片想いするホリーさん視点の王道の恋物語って感じでしたが、観進めていくとかなり個性的な作品で良かったです♡
ロブとホリーさんの距離が縮まり男女の仲になって夜致してたらベッドにじわじわ広がる血糊。
シーツを血塗れにしながら亡くなった筈のニーナさんが傷だらけで登場。
まぐあい中に血塗れの元恋人(しかも全裸)が登場するとか怖すぎ気まずすぎ嫌すぎなんだがww
しかも余裕たっぷりにホリーさんに嫌味を言いまくるニーナさんw
あまりにも地獄みたいな光景に笑ってしまった😂
ニーナさんが消えた後に大量の血糊がシーツにベッタリ残ってんのも笑ったww
超絶いらない置き土産。

そこで別れるかと思ったらロブにもニーナさんにも寄り添ってあげる人の良すぎるホリーさん。
もしもロブが悪人だったら絶対に都合の良い女として扱われていたと思った。
ちょっと心配になる種類の優しさを持ってる。

んで、ロブと致す度に出現していたニーナさんが、日常生活のふとした瞬間にもホリーさんの前に出現するようになる。
結局、亡霊も心優しい人に付きまとうという心霊セオリー通りの展開。
可哀想なホリーさん。
そんな毎日に限界を迎え、別の男性と致してもやっぱり血塗れで現れるニーナさん。
ニーナさんは元恋人のロブではなく完全にホリーさんに取り憑いてしまったご様子。

色々なカットに細かい伏線が張られていたのが良かった。
救急救命士を目指すホリーさんが献身的という伏線。
ロブの怪我を診て心に寄り添う伏線。
割れたガラスが彼女の身体を傷付ける血の伏線。
普通の女の子として振られるが実はダークな子という伏線。
掘ってしまったタトゥー"Nina forever"が現実になってしまう伏線。

終わり方が難しそうな作品だなと思いながら観ていましたが、ラストカットはあれしか無いよねやっぱりって感じの終わり方。
破滅と絶望的な継続、そして新たな出発を意味してた。
いつの時代も尽くす子は報われないのね。
てかこれは変わり種の百合映画でもあるなと。
皮肉なイギリス映画で良作ホラーで恋愛映画でした。