このレビューはネタバレを含みます
カラフルに弾けるち◯ち◯のスローモーション。幸せの風景。
求めていたのは、ささいな家族のかたち。
空泳ぐ3匹のこいのぼりのような。
「一緒に暮らそう」
でも、それは難しいこと。
法律が追いついていない。
社会が許さない。
煩悩になった百八のち◯ち◯は、炎の中で何を願うのか。
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マジレスしてしまうと、突如帰ってきた母親に対して、いきなり「トモを引き取りたいんだ」は、ないかな。物事には順序がある。
母親には、「親権」という最強の武器があるのだから、もうちょっと丁寧に進めないと。
「親権」がいかに強いものかは、リンコさんが一番わかっているハズでしょうに。
あんな責め立てるような言い方をして、母親が態度を硬化させたら、引き取れるもんも引き取れない。
何であんな下手くそな交渉をしたのか。
あの時、マキオが言うべきだった一言は、
「もし、一人で育てるのが難しいときがあったら、これからも、いつでも頼ってくれ。俺たちもトモちゃんが大好きだから」だと思う。
これで、十分。
これで、トモは、たまに遊びに来る。
そうして、二人がトモをしっかり育てている姿を母親にも見せつつ、母親の状況や心境の変化など、様々な機会を見定めて、少しずつ「引き取りたい」という交渉をしていくのだ。
それでも、難しいかもしれないが、少なくとも、あんな別れ方をせずには済んだはず。
母親がそう簡単に自分の子どもを手放すわけない。
このシーン含め、LGBTQへの差別が露悪的に描かれすぎてるのは、ちょっと不自然だった。
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ただまぁ、そんなことしてたら、映画が終わらないし締まらないので、作品の展開としては、これで良かったと思う。
ラストの贈り物も、ホロっと笑えて温かかった。
彼らが本気で編む、
ち◯ち◯と、おっぱい。
公開:2017年
監督:荻上直子
脚本:荻上直子
出演:生田斗真、桐谷健太、柿原りんか