自身の監督作『パッション』についてゴダールが解説する。シナリオのト書きとメイキングと副音声解説を足して3で割ったような内容。編集室の白いスクリーンの前にゴダールが座って、身振り手振りを交えて抽象的なありがたい解説を加えてくれる。解説の対象となる『パッション』のワンシーンがスクリーンに投影されると、太縁眼鏡をかけて煙草をくゆらすチリチリ頭のゴダール（これがアイコニックで超かっこいい）のシルエットが重なる。「この映画の創造主は俺だ」「俺こそが神だ」と言っているかのような構図。『8 1/2』みたいな。
