かいづち

エイリアン4 完全版のかいづちのレビュー・感想・評価

エイリアン4 完全版(1997年製作の映画)
4.0
【7分の追加映像版】
完全版と言いながらも数シーンが追加。
何より完全版の挨拶映像にて、当のジュネ監督が「通常版でええです」発言してるので、本作は本当にマニア向けのコレクション感が高い作品です。

全体の印象を左右するオープニングと終盤の1カットが通常盤と表現が異なり、通常版よりも悪く言えば間延びする映像が映されます。

やはり『エイリアン4』(1997)の魅力は、短い尺に詰め込まれた絶望的な現実と愛するべきキャラクター達の描写があり、本編からカットされている理由も何となく分かります。
ですが、内容はやはり面白いので満足な結果になりました。

個人的には完全版の追加映像の中だと、ユタニ社がウォールマートに買収される会話がちょっと好きです😂


↓↓以下『エイリアン4』レビュー↓↓

【リプリーシリーズ最高の着地】
2381年。。超未来を描いた旧シリーズ4作目。
リドスコ監督の『エイリアン』(79)が素晴らしいのは勿論。『エイリアン2』(86)のアクション大戦争、超ダウナー描写まみれの『エイリアン3』(92)に続き、原題「Resurrection」の名の通り主人公と悪夢の時が復活します。

監督『アメリ』(01)でフランスのジャン=ピエール・ジュネ、脚本『トイストーリー』(95)のジョス・ウェドンが描く、1作目のトーンを引き継ぎつつも何処か明るく独特なテンポ。視覚効果もCGIとミニチュアの組み合わせ、ズームを多用する映像の迫力がとても魅力的です。

本作、200年近い時を経ても目にする景色は変わらず地獄のようで、学ばず愚かな人間と制御不能で凶悪なエイリアン、そのどちらにも属する特異点となるリプリーの心情はとても辛く映り、表情ひとつ目を離せません。

"一般的には"グロテスクな描写の連続ながらも、短い上映時間をノンストップで結末に向かう本作のテンション感は飽きず、シリーズを追う者には何処か感情的を揺さぶられっぱなしのジェットコースター映画を、是非『エイリアン ロムルス』(24)と併せてご鑑賞してみてはいかがでしょう!
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