ハロウィンに向け気持ちを盛り上げようかと思ったけど、それどころではなかった。私も一緒に壮大な時間旅行をした気分。こんなの好きに決まっているし、絵本にして手元に置いておきたいし、眠れない夜にこっそり読みたい。可愛くて悲しくておかしくて怖くて切なくて、あの暗い二つの空洞を祈るような気持ちで見つめているうちに、ふとこちらが見つめられていることに気づく。
この膨張を続ける広い広い宇宙の隅の、ぽつんと青く光る地球の中の、もうすぐ海に沈む大地の上で、たった一枚のメモを心残りにして動けずにいる。シーツを被る前の私たちも宇宙目線で見れば同じようなものだろう。大きなうねりの中でたわいもないことに一喜一憂している。どんな立派な偉業を成し遂げようとも、素晴らしい芸術作品を残そうとも、一生引き籠もって暮らそうとも、どうせ全部消えてなくなる。でもだからこそ自分の大切を守りながら、なるべく思い煩わずに生きなくちゃね、とふわっと軽い気持ちになった。ずっと寂しさに囚われていたのに不思議だ。つまりもう明日で仕事やめて毎日猫とゴロゴロしててもいいのかもしれない。(危険な飛躍)
地球が消滅する瞬間、沢山のシーツがポップコーンみたいに弾けて飛んだら流星の花火みたいで綺麗だろうなぁ。違う惑星から生中継して欲しい。それを人類最後のアートとします。