漱石枕流

移動都市/モータル・エンジンの漱石枕流のレビュー・感想・評価

2.7
現代文明が崩壊した未来を描いたSFだが、斬新に感じられるのは、都市が丸ごと移動能力を持っているという大胆な設定だろう。なので序盤はワクワクした。が、それは早い段階で裏切られてしまった。

なぜなら、作品世界が作り込めていないからだ。たとえば都市にそんな機能が都市に備わっている理由は、戦争によって地殻が不安になり、さらに希少な資源を探すためだという。

が、前者についてはそれらしい描写がない。さらに後者は都市を丸ごと動かす方が遥かにエネルギーを食うので、効率が悪いのではないか? あと、主人公は反移動主義者という設定があるが、だとしたらなぜ移動型の町にいるのか。

序盤はそうした疑問は次第に解消されるものと期待していたが、結局説明はなかった。次第に物語に没頭できなくなり、後半は流し見になってしまった。
大胆な設定に目を奪われるものの、物語そのものは大味だと思う。

[ドイツ語吹替音声+日本語字幕]2024/12/29 Netflix
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