最近はっきりわかった自分の好みが、冠婚葬祭ものが好きってことと、その中でもお葬式ものが好きってこと。実際にはコロナ禍を経て、こういうふうに親族が一同に会するようなお葬式というのはだいぶ減った。ここ数年に私が参列した何回かのお葬式も簡素で時短なもので、毎回帰り道に「これでじゅうぶんだよね」と話しながら帰っている。
でも、こういう昔ながらのお葬式での、親族どうしの気まずさやぎこちなさは大好物。
実生活では私の両親は地方出身で、子供の頃は法事やなんかにも連れてかれていたけど、世代交代してしまった今、東京住みの私は、そういうしがらみ的なこととはあまり縁がない。夫は逆に、先代から東京の生まれなので、親族の付き合いが濃く、義母が元気なうちは年中行事として年末のもちつきがあるような家で、親族どうしがああだこうだと大騒ぎしながら作業する様は、父の故郷の尾鷲の人々とおんなじだった。
芸達者な役者さんたちの中で、大人ぶってるところがまだまだ子供、だけどものごとをちゃんと見ている女子高生の小野花梨がすごく良かった。ごま塩みたいな顔で、派手さはないけど華がある。河原での兄ちゃんとのシーンには泣けた。