記録用
ショーン・ベイカー監督作品。
今年度のアカデミー賞の作品賞の筆頭である「アノーラ」の監督でもあるショーン・ベイカー監督。
今作も去年のレッドロケットも最高でした。
ここ数年世界中で貧困をテーマで取り扱う映画が増えた中同情や悲哀のみを全面に押し出す作品が多い中登場人物達の人間臭くてどうしようもない人間味も含めて最高だ。
フロリダディズニーワールドの世界屈指のお金でしか得れない魔法の世界の裏で繰り広げられる人間模様。
WDWも確かに素晴らしいが主人公達以外の住人も子供達が可愛く両親も安易にネグレクトなど虐待を演出するのではなく愛情が確かに感じられる陽性貧困コメディなのも良い。
そして特に管理人のウィレム・デフォーが素晴らしい。
貧困の方達が集まる住宅にすら追い出されてしまう主人公たちを一週間分の家賃ずつもらい部屋を移しながら特別に住まわせてあげること自体もそうだが
親達が仕事中に子供達を家に放置して子供達がモーテルの周りで遊んでいる。
その間も常に子供達を遠目に見守りつつ時には叱る姿が本当に優しく素晴らしい。
途中不気味な変質者が子供達に近づくのだがそれにいち早く察し守る姿がかっこいい。
そんなことは知らない親達や子供達は悪態をつき邪険に接するが良心のみで動く姿に感動する。
その後の展開も現実の辛さが厳しく当たるがゲリラ撮影で撮られたラストの展開はファンタジーのように終わる。
そして色鮮やかなこの物語も一種のディズニー作品のような御伽噺の雰囲気さえ醸し出し終わる。
見て見ないふりをする辛い現実の哀しみを隠すわけではなく直面しながらも明るく純粋な子供たちの笑顔で吹き飛ばされる魔法の様な作品でした。
日本では来年公開の「アノーラ」も楽しみ。