長いことニュースキャスターを務めてきたハワード。視聴率低下のため2週間後の解任を通告されている。ハワードは生放送の番組で、次週この場で自殺すると予告。現場は大混乱。でも視聴率は急上昇。そこからはじまる百花繚乱(違う
「俺はとんでもなく怒っている。もうこれ以上耐えられない!」
もしもわたしが映画のなかのこの番組の視聴者だったとしたら、わたしも窓から月夜に向かって咆哮したと思う。“わたしが言いたかったこと、心に抱えていたのはまさにこれだったのだ!”と。慧眼しちゃったかも
会長がハワードに言う「アメリカとか民主主義とかそんなもん、もうとっくにないんよ。あるのは巨大資本だけやで。おれらはみんなそれに支配されとるんや(超意訳です)」には、“それを言っちゃおしめぇよ”とツッコミたい気持ちと、“ほんとそれ”と膝を打ちたい気持ちが同居したけど、“ほんとそれ”はあまりにもむなしい現実であってちょっとしょんぼりしてしまう
メディア界の視聴率至上主義や超拝金主義。メディアの独立なんてどこにもなくて、コングロマリットや巨大資本の従者に過ぎない。その動きは加速する一方。留まることをしらない。1976年制作の今作は、2024年の現在を予言していたかのようで、背筋が凍るとはまさにこのことか。
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観た日は体調不良で鎮痛剤服用してから出かけたので、ちょっとウトウトしてしまいました。けたたましくがなり立てる台詞が多かったのが堪えました。でもそれゆえに、そのなかで静かに語る場面がかえって印象的でした。ウィリアム・ホールデンが妻に語る場面とか。ウィリアム・ホールデンがフェイ・ダナウェイに語りかける場面とか。説得できるまであと少し、というタイミングで鳴る電話。
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自分用のメモ
「ジョーカー」をはじめとして、のちの映画に多大なる影響を与えたということはわたしなりによくわかりました。「ザ・ボーイズ シーズン4」にはこの映画でのセリフが引用されているとのこと