鈴峰らんか

マスカレード・ホテルの鈴峰らんかのレビュー・感想・評価

マスカレード・ホテル(2019年製作の映画)
4.3
最後の最後に監督:鈴木雅之って名前を見てすべて納得。
ショムニ育ちの私には非常に脳に気持ちいい映画だった。
真反対を向いた二人の間にタイトルが入ることで象徴されるように、ホテルマンと刑事という正反対の二人がぶつかり合いながらお互いを認め合う過程が物語の軸になっている。
 
ホテルを訪れる客のエピソードが連続ドラマのように絡み合って展開されるのに、複雑だという印象は全くなく、見難いと思う場面が一つもない。事件ものとしても華麗な手段で決着がつくので、観終えたあとすっきりする。綺麗なパズルみたい。
 
主役から脇役に至るまでフジテレビのドラマファン垂涎の見事な配役だった。主演の木村拓哉さんと長澤まさみさんは初共演で話題性もあったと思うし、HEROでお馴染みの小日向文世さん、松たか子さんなど木村さんゆかりのキャストが脇を固めているのもいい。
何より篠井英介さん、生瀬勝久さん、東根作寿英さん、田口浩正さんなどバイプレーヤー贅沢盛りが最高!多彩なお芝居が一気に観られるし画が引き締まる。これだけのキャストを集めてワンチームを感じさせるのはやっぱり座長の力なのかしら。さすが木村くん!
 
私が見事だと思うのは何度も出てくるロビーのシーンのエキストラさんたち。ホテルの高級感をセットだけでなく“人”で演出するのはさぞ難しいことだろう。人数も多いので助監督さんも大変だったと思う。
 
個人的に「フジと言えば二階建てのセット」が今回も当たっていたので思い残すことはない。90年代~2000年代前半のフジテレビのドラマが好きな人にぜひおすすめしたい。
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