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洗骨のleylaのレビュー・感想・評価

洗骨(2018年製作の映画)
3.8
ガレッジセールのゴリが原案・監督。「洗骨」とは火葬せず遺体を棺のままホコラに納めて風葬し、4年後に骨を洗って清めるという沖縄の一部で行われている風習。そのシーンはとても神聖でよかった。

妻を亡くし立ち直れない夫(奥田瑛二)、東京で働く息子(筒井道隆)、結婚せずに妊娠して戻った娘(水崎綾女)の3人家族。たくましい叔母さん(大島蓉子)がいちいちパンチのあることを言うのが気持ちいい。

亡くなってから数年後にまた家族が集まるのは死者を思い出すきっかけになる。強い絆や想いがないと、棺の蓋を開けて骨を洗うことなんて不気味に思えてできないだろう。洗骨をすることで、より家族の絆が深まり、次の世代へも継いでいくことができる素晴らしい儀式だと思いました。亡き人の骨を洗うことは、生きている自分自身を洗うことにもなるっていうのも素敵です。

最後にほっこりしたのはコメディ感のおかげで、ゴリさんの人柄ゆえだろう。個人的にはシリアス版を観たかったです。ドキュメンタリーで観たいぐらい貴重な風習でした。
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