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ブラック・クランズマンのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
3.5
黒人刑事が白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン」(KKK)を潜入捜査した実話をつづったロン・ストールワースのノンフィクション小説「ブラック・クランズマン」をスパイク・リー監督が映画化。
原題:BlacKkKlansman
(2018)

1972年、ロン・ストールワース(ジョン・デビッド・ワシントン←デンゼル・ワシントンの実子)は、コロラド州コロラドスプリングスの警察署に黒人(アフリカ系アメリカ人)として初めて警察官に採用される。
白人刑事から人種差別を受けながら、見習い潜入捜査官として元ブラック・パンサー党のクワメ・トゥーレ/ストークリー・カーマイケル( コーリー・ホーキンズ)の演説会に派遣され、地元の黒人解放活動家、学生の自治会会長パトリス( ローラ・ハリアー)と親交を深める。
その後、情報部に正式配属されすと、新聞広告に載っていたKKKのメンバー募集に電話をかけ、白人のレイシストを装って入会面接の機会を得る。
黒人のため対面できないので、
同僚のユダヤ系白人警察官フィリップ/"フリップ"・ジマーマン(アダム・ドライバー)に面接と潜入を担当させ、自身は電話対応をして、2人で1人の人物を演じながら潜入捜査を進めていく。

そして黒人集会の当日、
KKK支部で全国指導者デビッド・デューク( トファー・グレイス)を迎えた集会が開かれ、フリップはKKK支部員ロンとして、ロンはデュークを警護する警官として集会に参加する…。

ブラック・パワー!
ホワイト・パワー!

最後に、KKKが十字架を燃やす儀式の映像、
2017年バージニア州シャーロッツヴィルの極右集会におけるドキュメンタリー映像、
曳き殺された白人女性ヘザー・ハイアー(1985.5.29~2017.8.12)の追悼の場面が映し出される。 

「NO PLACE FOR HATE !
憎しみに居場所なし!」

~他の登場人物(俳優)
・KKK支部長ウォルター・ブリーチウェイ ( ライアン・エッゴールド)
・KKK支部員(過激派)フェリックス( ヤスペル・ペーコネン):新入りのロンに懐疑的で正体を暴こうとする。
・ボーリガード博士/ナレーター ( アレック・ボールドウィン)
・ジェローム・ターナー ( ハリー・ベラフォンテ):黒人集会で、1916年に無実の黒人ジェシー・ワシントンが白人女性ルーシーのレイプ犯とされ惨殺された事件と、グリフィスの1915年の映画「国民の創世」との関係について語る。

サスペンスとしての娯楽性を保ちながら、アメリカにおける人種差別問題に深く切り込んだスパイク・リー監督の力作で、今までの集大成的映画と言ってよい。
また、フリップがWASP(アングロサクソン系白人でプロテスタント)でなくユダヤ系の白人であることも重要な意味を持つ。
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