シリーズ共通の投稿動画2本とインタビュー付動画3本の構成。
投稿動画を流すだけのパターンは全く興味無いので、演出家自身が作りたかったと云うインタビュー付動画についてのみレビューします。
【夜の峠道】
友人が車を購入したので深夜のドライブと決め込んだ。とある山道を走行中急にブレーキを踏む友人。停車した車から急いで降り、何も無い前方へ駆け寄り少し立ち止まっていたかと思うと、車へ帰って来るも後部座席の扉を何か喋りながら開ける。その後部座席へカメラを向けると・・・。
話としては都市伝説化する程非常にシンプルながら、カメラに映り込んだモノの顔面崩壊がリアルで素晴らしいですね!
地上波の「恐怖映像100連発」系で、ドライブ途中に女性を拾い、会話を続けていると突然「ガォオオオオ」と襲ってくる有名な海外のフェイク動画があるんですが、そんなのと比較しても余程リアルで怖いですよ。
またハンディカメラの映像と車載カメラの映像の2つの映像を比較して見せる演出も面白いですね。本作一押しの動画です。
後日談をくっつけて終息させるのは『封印映像』同様の手口ですから、私的には全然アリです。
【グラビア動画】
グラドルのイメージビデオ撮影中に公園のトイレでグラドルがロザリオを拾う。そのロザリオを首にかけてレンタルハウスで撮影していると身体に異変が起きる・・・。
これまた、グラドルの身体に起きる異変が非常にリアルです。
これぞプロの仕事って感じです。
撮影していた映像にもきちんと奇妙なモノを映し込んでいるし、上記作品同様2重の仕掛けを施す丁寧な作り込みはさすがと言わざるを得ません。
【箱呪】
心霊スポットでこっくりさんを行うと云う企画で廃墟に訪れた撮影隊。入口が家具等で意図的に塞がれた部屋へ入ると、室内一面に禍々しいまでに張りめぐされた赤い糸。この部屋は何かの理由で封印されていたらしい。レポーターの女性がこの部屋でこっくりさんを行うことを頑強に拒否した為、他の部屋でこっくりさんを行うと、あの封印された部屋の事を指し示す言葉が表れる・・・。
尺の取り方からすると、本作のメインコンテンツらしいんですが、レポーターに偉そうに指示出しするディレクターの言動から白石監督の某作品を彷彿とさせてくれ、こちらをニヤリとさせてくれます。
まぁロケ地の廃墟の朽ち果て感や超常現象が起こる部屋の禍々しさも素晴らしいんですが、問題はその際の画。
なぜ今更仰々しすぎるフェイク丸出しの画を盛り込んだのか、他の設定が全て素晴らしかっただけに非常に残念です。
『闇動画1』の【墓参りの代行】で画面一杯に映り込んだあの画位残念ですね。
もしかすると白石監督への挑戦状的な画かもしれまんがね(*^m^*)
もう言い飽きたんですが、この作品もタイトル『封印映像』(勿論パート6までのクオリティですが)として観ても何の違和感もありません。
どの段階で『封印映像』との明確な差異を認識出来るのか、それもまた愉しみではあるんですがね。
どっちゃにしろ、やっぱり作品のクオリティは高い事に変わりありませんので、もっともっとと欲求は止め処無く更なる面白いモノを求めてしまうのです。
パート6以降作品のクオリティが著しく劣化した『封印映像』に変わる『裏ホラー』的な面白さを満喫出来る本シリーズ、今後もこのクオリティを維持し、絶え間なく作品を作り続けて欲しいもんです。