作家ジェニー(ローラ・ダーン)は母親が見つけた13歳の頃の文章をきっかけに過去の記憶を取り戻していく。それは、乗馬教師ジェーン(エリザベス・デビッキ)と陸上コーチのビル(ジェイソン・リッター)との出来事だった。ジェニーは年上男性との恋愛と記憶していたが、現実はおぞましい体験だった。
穏やかで淡々とした映像は、次第に不快で恐ろしい事実を暴いていく。
ジェニー本人が被害者という意識がなく、自分は幸せで愛されていたとさえ感じている。そんなことが起こりえるの?と思うけど、ビルとジェーンによる洗脳は信じられないほど巧妙だ。
稀に見る不愉快な記憶の再生を、実に自然に映像化した脚本が秀逸だ。もちろん、徐々に記憶を呼び覚まし、つなぎ合わせていくローラ・ダーンの演技も絶妙だった。
絶対に許せん!と憤りばかりが募る本作。是非、心暗い人間たちへの抑止力になってほしいけど、ビルみたいな奴はこういう映画、観ないんだろうなー。