春とヒコーキ土岡哲朗

記憶にございません!の春とヒコーキ土岡哲朗のレビュー・感想・評価

記憶にございません!(2019年製作の映画)
-
フジテレビの00年代バラエティの明るさが気軽で楽しい。

有名人がそのままの親しみやすさで動く。
本来、お芝居を見る時ってその俳優が有名であっても、その俳優の名前を忘れるくらい没頭したいんだけど、こういう映画はそうではない。有名なみんなが集まってサービス業やってくれてるから嬉しいタイプの映画。俳優が出てくると、「吉田羊だ!」「木村佳乃だ!」と、知名度ありきで楽しい。ポップ。俳優がバラエティ番組に出るときと同じ親しみやすさを醸しながらのお芝居。

自分を改めるダメ総理。
記憶を失ったダメ総理は、今までの自分がいかにひどかったかを客観的に見せられる。『トータル・リコール』のよう。過去の自分の失敗を客観視して、正しいと思える行いに切り替えることができるか。それは誰しも生活の中にある課題。感情が荒ぶってやっていることは、冷静なときに振り返ってみれば間違っている場合がある。たまたま行動は間違っていなかったとしても、そのときの考え方は間違っていたりする。それを客観視したとしても人間なかなか改められない。自分の過ちを認めると責任が生まれて、怖いから。この映画の黒田は、過去の自分を他人のように思っているからどんどん改めることができた。そのくらい、過去の自分にさえもしがらみを感じずに考えるのが、正しく切り替える方法。