◆「ルルーシュは生きているのか」という疑問が遂に解決
2期のラストシーンはずっとファンの間で物議を醸してきた。ルルーシュに語りかけるC2。そして馬車を引く男性。「あの男性はルルーシュなのでは?」という疑問に対して、多くのファンが議論してきたことだろう。
そして、その答えが出た。
まぁ、生きてましたよと。。。
個人的には嬉しいような悲しいような、とても複雑な気持ちです。
というのも、多くの犠牲を払ってでも世界を平和にするためにルルーシュとスザクが成し遂げたゼロレクイエムの価値が薄れる気がしてならないからです。
世界の憎しみを自分に集めて、ゼロという記号に自分を殺させることで世界は憎しみを捨て、明日を生きる選択をすることができる。
大事な仲間でさえ、自分の命より大切な妹さえ欺いて、世界の平和のためにゼロレクイエムをやり遂げたのに…。
あそこで終わりにしておけば、作品としてすごく完成度の高いアニメになっていたことでしょう。
◆敵を作るならこの設定しかありえない
悪虐皇帝ルルーシュが討たれ、世界は平和になった。だが、平和になるということは軍事産業が衰退するということを意味する。つまり、今作の敵は平和になったからこそ生まれた悪といえる。
◆葛藤が弱い
時間を戻してやり直すことができるギアスという設定は悪くない。悔やむべきは、その設定をストーリー上でしか活かしきれてないところ。
例えばシャーリーやロロの死を変えることができるという申し出に対して(映画版ではシャーリーは死んでないが)、ルルーシュが葛藤するシーンがあれば、アニメ版も含めた全体への総括にもなったのになと。
ルルーシュが作った平和は多くの犠牲を払って生まれたもので、それは軍人だけでなくシャーリーの父親やシャーリーも含めた一般人の犠牲もある。
それらの死屍累々の上に成り立っている平和だということを再度提示し、それでも過去を変えるのではなく未来のために何ができるかを選択するというルルーシュの決断というような道筋にして欲しかった。
◆ファンには嬉しい一作
ダラダラと文句を書きましたが、ファンにはやっぱり嬉しい一作です。
あのキャラたちの後日談を見れただけで、かなり満足度は高い。
悔やむべくはカレンやシャーリーの片想いにちゃんと終止符を打って、C2と共に歩んで欲しかった。