10円様

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンの10円様のレビュー・感想・評価

4.0
🐲皆様明けましておめでとうございます🐍

 皆様の昨年のラスト映画。これを観るのが好きである。最後の映画はその人の個性や趣味や性格まで見えてくるという。私の今回のラスト映画、否、年越し映画は。これである。この高潔な作品こそ、私に相応しいと思ったからである…

 というのは嘘で…
前々から視聴できる環境ではあったのですがいかんせん、あまりにも長い映画。しかし途中で休憩を挟みながら観る映画でもなく、こんな特別な日にしか観られない!と思い、4日くらい前に決めました。最初は「インサイドヘッド2」の予定でした…

そんな私ですが、今年もよろしくお願い致します😅🐍

 史実を元にした映画というのは、観客が前知識があるという前提で製作しています。説明を詳細にすると尺が長くなり、物語に中々辿り着けないからです。
 そしてこの連続殺人事件。現代アメリカ人のほとんどが知らない世代になっているそうです。
 記憶から消えるという事は、単に田舎町でおきた連続殺人事件なのかな。と思っていると、めっっちゃくちゃヤバい事件ですね!
ネイティブアメリカンへの経済的蹂躙、陰謀、受益者、利権、隠蔽、脅迫、この町は悪に支配されているではないですか!

 原作は「花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生」と言いまして、FBI誕生とわざわざ書いてるくらいだら、「非白人が白人から虐殺されている所に、白人が救世主のように現れ解決する」という物語とのことでした。
 昔「ミシシッピーバーニング」という映画がありましたが、こちらも同じ流れで、これらは「アメリカの贖罪」が「白人の良心」を描いているように見えて実は「正義の白人」を作り出しているのですね。

 ディカプリオ。この原作が出版される前から「出版されたら即映画化しよう」とスコセッシに持ちかけていたらしいです。当然主役のFBI捜査官はディカプリオ。しかし撮影を経て行くうちに「これじゃやってる事は白人ヒロイズムじゃん!」と思ったのでしょう。主役をアーネストとモリーに変更。伴ってFBI捜査官はジェシープレモンスになりました。
 FBI来たのが後半1時間くらいのところでしたからね。

 なのでこの映画はアーネスト、モリーの関係に重きを置いて作られています。「アメリカ」という正義より、一組の夫婦を描く。それはそれで良かったと思います。ただアーネスト、とんでもない悪党なんだけど、割と美化して脚色していないか?あれは視点変わればクズと呼ぶに相応しいですよ。
 モリーへの愛、この映画のように本物であったら良いな。

 大昔は
 白人から観たインディアンは脅威だから殺戮する。

 80年代は
 白人がインディアンを助けなければ誰が守るんだ?

 90年代は
 白人とインディアンは友好的になれる。

ときて、本作は
 インディアンから見た白人。脅威でしかない。

 と、1世紀前とは全く真逆の価値観になってますね。これを修正主義というらしいです。
 
 という事でこの長尺のおかげでもうこんな時間です💦とりあえずは一旦お開き。寝ます😌
 でもちゃんと3時間20分集中して観られてよかったよ笑
 また追記するかも…
 
10円様

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