あらすじ:生きがいそのものである君がいるなら、他には何もいらない。
家出高校生の帆高は、東京で悪い大人達に人生を翻弄されていたが、ある日同様に喘いでいる少女に出会って…というお話。
東京は無限の選択肢を用意するが、自分が夢中で打ち込める“何か”を見つけられないと、他人との比較に注意が向いて、いつしか他人に勝つ>自分の幸せとなり、人生迷子(=不幸)に。
帆高にとって“何か”は陽菜で、陽菜も同様だった。だから(生きがいをみつけた)彼らは大丈夫(=人生迷子にならない)。東京も(彼らのように)あるべき姿に戻ったし、オールオッケー。
ということなんだろうけど、残念ながら他人もその感情も移ろうので、生きがいにはなりにくいだろうし、下手すりゃ依存になると思う。
あと、感情がとれだけ高火力でも、感情では生活できない。むしろ感情を排除して冷静にならないと、「この狂った世界」を幸せに渡ることはできないし、情熱を貫くことや大切な人を守ることさえできない。
独身時代なら満点をつけていたかもしれない、超弩級ロマンス。本作を観て、(生きがい探しに)不退転の決意で大都会に繰り出すのは良いとしても、(生きがいそのものとなる)パートナー探しに奔走するのは勧めない。