悪魔の毒々クチビル

亡霊学級の悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

亡霊学級(1996年製作の映画)
2.8
「そんな、つのだじろうの漫画じゃあるまいし」

女子高生がたまたま図書室で見つけた漫画と同じ怪異に襲われるお話。


つのだじろうの同名タイトルの漫画を鶴田法男監督が実写化した作品です。
と言っても、漫画の実写化と言うよりは劇中にもこの漫画本が存在しておりそれに沿った怪現象が発生するといった、純粋な実写化とは異なります。
何なら先生本人も出てきますし。

最近では復刻上映も行われ、今でも根強いファンのいる作品なのは間違いありませんが、個人的にはイマイチでした。

冒頭からトイレに霊が現れたかと思えば、何故かただ水を2回流すだけと言うよく分からない行動に「ん?」となり、各登場人物の過去や抱えているものが絶妙に繋がらず何もかもぶん投げて終わる内容にただ困惑しただけでした。
呪いや悪霊の原因や正体が分からず終い、っていうのはそれはそれでアリだと思うんだけど、ここまで点と点が繋がらないとなると流石に気にはなりますよね。
そう言えば最初に撮れた心霊写真も、結局は大して本筋と関係無かったってことなのかな。

心霊描写も当時だったら怖いものもあったと思いますが、今観ると悪くはないけどそこまで響くものも無く。
ただ終盤、直接的な描写こそ無いもののトイレに引き摺り込まれて骨がバキバキに砕ける音が響き渡るシーンは良かったです。
今までのじとっとした恐怖演出から一転し、ブルータルな展開を見せてくれてここは怖かったかな。

確かに所々人を惹き付ける魅力はあったかもしれませんが、正直退屈なもんは退屈なんでね。

そう言えば96年の作品とのことですが、学校にピッカピカの洋式トイレが完備されているのが地味に羨ましかったです。
それ以降の代の俺でも小中高とほぼ和式しか無かったのに。地元が田舎だからか。