びびし

システム・クラッシャー/システム・クラッシャー 家に帰りたいのびびしのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

子供が電脳空間にダイブしてマザーコンピュータのシステムをクラッシュさせるSF映画だろうと思って観たら全然違った、

そんな早とちりは良いとしても方向性が全く違う社会派ハードドラマとは思わなかった、ベニーは普通に生活する事が難しい、周りに迷惑をかけ、傷つけてしまう、

子供達が危険な目に遭う部分が多いのでそこは要注意、ヒヤヒヤします、

とにかく危ういベニーの暴走、それに対応出来ない大人たち、実の親でさえ...ただ、観ている側はその性格を理解した所で対応出来ない大人たちを責める事は出来ない、観ていても「無理だ」と思ってしまう、その中でミヒャは良くやっている、小さい子供や妊婦がいる中でベニーを家に泊めるなんて普通出来ない、

とにかく観ていて「一線は越えるな」「極力何も起こらない映画であってくれ」と願いながら観てしまう、それでもトラブルや事故が起きてしまう、例え一線を超えなくてもハッピーエンドになる形は全く見えて来ない、少しずつ、前進後退しながら少しずつでも変わって欲しいと願う、しかし改善しても大きな出来事によりリセットされてしまう...映画の残り時間だけ減っていく...

そして迎えたラストも劇的に何も変わらない、変わった所で都合の良い展開に納得は出来ないだろう、

ベニーが変わる事が目的ではなく、この現状を知る事、感じる事、観る事がテーマだった様に感じた、
びびし

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