ナポリで船乗りの日銭を稼ぐ日々だったマーティン。
たまたま出会った令嬢のエレナに恋をし、文学に目覚め作家を志すようになる。
原作者のジャック・ロンドンの自叙伝というが、やはり作家は人生経験の中で生まれてくる発想が言葉として出てくる。
無駄とも思える経験から、社会主義者という世界への言動で周囲から批判される件も必要なものとなる。
すべては大成するための肥やしとなってしまうところに人間としての哀しさが付きまとう。
身分違いの恋や、革命家として祭り上げられていく様。
そして訪れるのは孤独という最後。
映像の美しさもさることながら、主演のルカ・マリネッリが完全にハマっていて適役だ。