ウクレレまさあき

カーブルの孤児院のウクレレまさあきのレビュー・感想・評価

カーブルの孤児院(2019年製作の映画)
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先々週に続いて、東京外国語大学「TUFS Cinemaアフガニスタン映画特集」にて鑑賞。

『狼と羊』と同じ監督の作品。激動の1979年以降のカーブル孤児院が舞台。院長先生役の男優さんの手記をもとに作られたのだそう。

ダフ屋行為で捕まったコドラトは、孤児院(共産主義的教育・寮施設)に入る。
イジメ、異なる宗教、恋心、ロシアキャンプ、精神異常など、閉ざされた中で多感な思春期を過ごすとともに、ソ連撤退、政変による組織崩壊に向かう不穏感を一緒に体感した。

前作に比べ、ポリウッド映画に擦るエンタメ要素が取り入れられたが、説明はせずに見せていくスタンスは変わらない。講演付の上映はありがたい。
突然入るミュージカルシーンは、ちゃんとポリウッド映画に元ネタがあるそう。古いインド映画の雰囲気そのままだった。

最後は、状況は変えられないけど勝って欲しかった、という監督の気持ちからだそう。

今回も、上映後解説/トーク:登利谷 正人(東京外国語大学世界言語社会教育センター 講師)

・‘70年代後半から’80年代前半、ソ連の軍事介入、共産主義化、イスラーム勢力の台頭、撤退、ソヴィエト崩壊の激動期。
・モスクワ・オリンピック西側諸国ボイコットの原因が、アフガニスタン侵攻。
・推薦📖:亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言
・インドとアフガニスタンの関係は、常に良好で現在まで。タミル語も理解できる。ポリウッド映画は、タリバーン支配まで都市部で人気の娯楽だった。

今回どちらかと言うと、講演目当てで遠征したけど、期待通りで興味深かった。ありがとう東京外国語大学。