““神よいずこに?モノクロの映像美と死神が織りなす神秘的寓話!””
ペスト蔓延る中世ヨーロッパを舞台に、神の実存に肉薄した古典映画の傑作。
『ヨハネの黙示録』における7つの封印(世界の終末)がモチーフ
…死期が迫った十字軍帰りの男が、死神とチェスで勝負をしながら旅をし、様々な人物と出会ってゆく。
男は旅の果てに何を見出すのか…
洗練された寓話的ストーリーと、画の美しさかずば抜けた一作
この作品、とにかく印象に残るカットが多い
「お前は誰だ?」
「死だ」
から始まる冒頭の場面は、もはや神話的ともいえる程のオーラに溢れていた
今観てもハッとするようなシーンが沢山あるので、全く見飽きることがない。
陰影を巧みに操った画作りにも感嘆すること間違いなし
ミニマルで完成された脚本もこれまた素晴らしい。
本作が聖書の1節の映像化だと言われても何ら違和感を覚えないだろう
重いテーマでありながら、時折見えるユーモアの塩梅がとても良い具合。
気張らずに観れるのはありがたかった
…シンプルでグラフィック、されど気取らない。上質な古典小説を読んだような感覚に浸れる一作でした……