とても重い作品のため、覚悟してから観ることをおすすめします。
しかし現代を生きる我々にとって、観るべき作品ともいえます。
1995年にボスニア・ヘルツェゴビナ紛争下で起きたスレブレニツァの虐殺を、国連軍で働く通訳のアイダからの視点で描きます。アイダはスーパーヒーローでも何でもなく、元教師の民間人であり、国際紛争という目の前の大きなうねりになすすべはなく、忠実に通訳業務をこなしつつも、家族を救おうと痛々しいくらいにもがきます。
国際紛争をリアルに描いた、現代版『火垂るの墓』といえるかもしれません。自分が生まれていた90年代にこんな悲劇があったということを知らなかったことを恥じました。